MANN+HUMMEL(マン・ウント・フンメル)社のCTO(最高技術責任者)兼CDO(最高デジタル責任者)であるCharles Vaillant氏への、CM Venture Capitalによるインタビュー記事を基に構成。 元の記事を表示.
戦略的リターンには「実行」が不可欠
Charles Vaillant氏にとって、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)における最大の課題は、単に興味深いテクノロジーを見つけることではありません。重要なのは、そのテクノロジーを、事業部門に真の優位性をもたらすプロジェクトや概念実証(PoC)、そして新規事業の選択肢へと変えていくことです。財務的な業績も重要ですが、CVCは、組織が単独では得られないような戦略的価値をもたらすものでなければなりません。
プレゼンテーションの先へ
有望な提案資料や熱意ある会議だけでは、成果は生まれません。実行は、実践的なプロジェクト管理から始まります。具体的には、責任者の指名、マイルストーンの定義、合意されたスケジュール、そして双方によるリソースの確約が必要です。予算の裏付けがある計画と、責任を持って取り組む参加者がいなければ、ベンチャー事業が成功する可能性は極めて低くなります。
コミットメントなき取引は成立しない
Vaillant(ヴァイラント)では、取引を承認する前に、関連する事業部門から書面による実行計画の提出を求めています。その計画には、予算、リソース、マイルストーン、そして時期が明記されていなければなりません。また、重要な戦略的投資においては、経営陣が継続的に関与する必要があります。そうすることで、企業とスタートアップのリーダー双方が進捗状況を確認し、障害を解決し、経営トップ層が状況を常に把握できるようになります。
技術はそれだけではビジネスにならない
技術はあくまで実現手段(イネーブラー)であり、それ自体が直ちに商業的な提案になるわけではありません。チームには、顧客が抱える課題、その技術がどこで価値を生み出すのか、そしてなぜその事業部門が支援を行うのかを説明する能力が求められます。イノベーションにはR&D(研究開発)が必要ですが、同時に創造性や起業家精神、そして当初の仕様を超えた用途を構想する力も不可欠です。
楽観論より、まず証拠を
MANN+HUMMEL(マン・ウント・フンメル)の「成長検証プロセス」では、新規事業を「プロダクト・マーケット・フィット(市場適合性)」「拡張性」「収益性」「独自の優位性」「市場規模」の観点から評価します。需要は、テスト、顧客との関わり、発注書といった実際のシグナルを通じて実証されなければなりません。単なる自信やストーリー(物語)よりも、証拠に基づいた判断の方が、より強固な意思決定の基盤となります。
他者が提案するだけにとどまるものを、実際に構築する
可能性をビジネスに変えるには、規律と想像力の双方が必要です。明確な責任の所在、確保された予算、そして測定可能な形での着実な実行プロセスがあれば、起業家精神を持つ人々が能力を発揮できる環境が整います。そうして初めて、有望な技術を、顧客が実際に利用できるものへと変えることができるのです。
